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つなごう!IFIリレーメッセージ
IFIビジネス・スクールの卒業生・在校生の近況報告や様々な話題、メッセージを紹介していくブログです!
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思い出の夏、アルファロメオ
(株)ユナイテッドアローズ 商品統括部仕入統括課 輸入管理C マネジャー 中村明徳氏

イタリアの夏は暑い。
ひびの入ったアスファルトの車道からゆらゆらと陽炎が立ち昇っている、午後3時。

アクアミネラーレ(イタリア語でのミネラルウオーター)を売店で購入し,ミラノのかっての空の玄関、リナーテ空港の傍らを相棒(駐在員S氏)のVWボーラ4モーションですさまじく横切る頃には,景色は四角張った中世都市から牧歌調の風景画のように変化してくる。のどかな田園地帯をほどんど直線に伸びる国道、長距離トラックでいっぱいなのだが・・を左に折れると畑の中に倉庫以外はひたすら平地の街区が現れる。ここが目指すUAのイタリア物流拠点OO航空だ。
 
今日は現地でずっと担当いただいていた伊藤さんが帰任直前ということで、別れを惜しみにきたのである。「イタリアといえば車でしょう!早くフェラーリでも買ってくださいね。」と能天気なコメントを残して立ち去ったあの出会いからはや1年、誠実でまじめな人柄の伊藤氏がいかにイタリア化しているか(いい加減で,不真面目とは言いすぎか?)興味津々であった。当時S氏は1959年式のランチャアッピアという非常にお宅的(扉が観音開きである)自動車に乗っていたのだが、それが痛く伊藤さんを刺激していたことを思い出した。

さてまじめな業務上の打合せが終わり、四方山話に花が咲いていたが、
突然「この倉庫の向かいの例の工場にいきましょう。」という話に急転した。そこには、実は前から気になっていたCarozzeria(カロッツェリア)Super Carという名の自動車屋(と呼ぶか修理工場と呼ぶか)があった(在るらしかった)。カロッツェリアとは車体の上半分の外装を手がける自動車工場のことで、車好きであればギアとかツーリング、現代まで残っているところではベルトーネ等スーパーカーのデザイン設計を手がけた名門の名前が出てくるところだが、一瞥したところ、かのSuper Car社にはまったくおしゃれな雰囲気がなく、どちらかというと廃車回収業者のようにサビの浮いた事故車のような車が野ざらしで積んである。

伊藤さん曰くそこで気になる車があるというのだ。

日本人3人で灼熱の平野を横切って目指すSuperCarに到着、初めて構内に足を踏み入れた。
「おお!なんと・・・屋内にはぴかぴかにレストアされた旧車たちが5~6台ひしめいているではないか。」フィアット500トポリーノ、アルファロメオ2000等々 はっきり言って大衆車だが、こんなに大事に復活させてもらってみると結構雰囲気よく味がある。 奥から小柄な老人、チェックのネルシャツにオーバーオール、まさに塗装作業の途中らしく、ペンキのはねと匂いがする男が軽い足取りで現れた。「どうだ、決心ついたか?」(S氏通訳によると・・)といっているらしい。
なんと伊藤氏はある車を検討していたのである。

その車は別の駐車場に在った。1977年式 真紅のアルファロメオスパイダー、内装はタンレザーである。'92年を最後にそれまでなんと30年近く生産された永遠の2人のりのオープンスポーツカー、映画「卒業」でぼんぼん主人公が白いそれに乗っていた、あのマシンである。77年式のそれは旧車マニアからは中途半端なモデルとして評価はいまいちながらやはり本来の軽量スポーツの持つ小気味よさをむんむんと感じさせる。ナルデイのウッドリムのステアリング+クロームめっきの楕円ドアミラー等々、1600CCのエンジンを積む軽量モデルだが内装のレザーもいい感じでやれていて隙がない。

S氏が「こいつはポルシェに乗ってるんですよ」などと挑発的コメントをしたもんだから「運転してみろ」という話になり、老人を助手席にのせ、車を乗り出した。「幅が狭い、細い」というのが収まってみた印象だ。自分が取り立てて大柄でないのに左腕にドアの内張りがあたる、ペダルは非常に接近していて、操作しようとするとオールデンの外こばが互いにひっかかってしまう。
ボデイの前後は結構長く、コーナーを低速で曲がろうとすると対向車に気を使う。
老人はとなりでしきりに「もっと飛ばせ!」と人を煽り立てる。初めての道に初めての車、ましてや保税倉庫が並ぶ業務用の狭い敷地の道路である。20~30KMでのろのろ運転していると「止めろ、代わってやる」と言っているようだ。
路肩につけて停車したところ、老人はさっさとドライバーズシートに滑り込んだ。

2、3回ブリッピングをくれたとたん,スキール音と白煙を上げて車は発進した。凄い体感加速だ。(というより怖い。)みるみるメーターは60KMに,回転数は5000ぐらいか。あっという間にT字路突入した。というよりもわざと対抗車線に膨らんでから右コーナーぎりぎりを掠めるように車を進めると、ザザザというノイズとともにドリフト状態で車はコーナーを脱出してゆく、再び対抗車線いっぱいに膨らむがまるでF1のように路肩に外輪がはみ出しながら、シフトダウンと加速に移る、「いかす、この運転」。

時速200KMを安心して出せる現代の車に乗せられている自分にとって、古典的スポーツカーで意のままに車を操りコーナーを駆け抜けるなんて、まるでポルシェGT3をテストドライブしているワルターロールみたいじゃないか、このじいさん!
こういった車で腕を磨くことが等身大の、本当の運転する喜びなんじゃないだろうか?という気持ちがふつふつ湧いてくる。感性にシンクロする車の在り方、これがイタリア車の魅力に違いない。 

妻からは故障が多いという噂からきつく禁じられているが、いつかこっそり購入をしてみたい。
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